ブレイクスルー 3 -6-

「あのメシ、炊いたん赤やよな」
としつこく言われる。
「メシやないねん、もうおかゆ。いや、のり。カレーのルーと、のりが混ざってもう最低」
「誰かって初めてっていうことあるやん。原田は吉田と釣ってばかりいたくせ」
「おかず釣らなあかんもの」
「でも、ブラックバスはいらんわ」
連休明けの金曜日、お昼は原田たちと、休みにあったことを話し合う。
「高階クンは、どうやった?」
「うん」
と笑う彼も、真っ黒だ。
「赤城さん、ハイ……」
 土産を渡される。開けて見ると、
「やたっ、」
おれは声を上げた。ちょっと前に言ったからなあ。覚えててくれたんだな。
 瓶入りの黒豚の味噌漬。
「また食いモンか。太りなや」
 原田があきれて言う。
「お前には食わせへん。おれ一人で食う」
と元通りに収め、原田から遠ざけて置く。
「汚な……!しかしお前、ホンマ食い意地はってるよな」
「高階クン、写真とか撮ってへんの?」
「今現像中」
「こいつの彼女、スゲー可愛いで」
とタバコをくわえ、原田が言う。
「へえ……」
「サラサラロングで、若いし、華奢~で。目は大きくてパッチリで、キュッとウエスト細くて、」
「うらやましい?」
と睨めば、原田はニヤつき、
「悔しかったら、スカートはいてみい」
「女が良ければ、女に走れよ」
「赤城さんとおれの彼女、交換しましょか?」
 ニコニコして高階クンが言う。
「してくれる?」
 原田のヤツ…なんてこと言ってんだ。
「赤城さんなら……惜しないですよ。おれは」
 その目に気圧され、原田は、
「冗談やって。……冗談やろ。おれは、赤でガマンするから」
 おれはちょっとムカつき、
「ガマンせんでええよ」
「そうですよ原田さん。ガマンなんて、ガラじゃないですよ原田さん」
「お前らなんでそう同調すんねん。赤、怒りなや。分かってるやろ、」
 彼はテーブルの下でおれの手を握った。おれもホッとして握り返す。
 実は、涙がちょちょ切れそうなくらい切なかったのだ。
 高階クンは伏し目がちに笑い、煙を吐いた。
 その日の午後、高階クンは納品にやってきた。
「ちょっと外へ……」
と耳元で言われる。
「困るわ。……二人は、困る」
「じゃ、ここで言いたいこといいますよ。あなたへの思いを……」
「ホンマに言えるんか?」
「言えますよ……。赤城さん、おれは本気であんたのこと、……」
 普通の調子でしゃべり出す。おれは慌てた。
「先に行ってて、」
 隣の曽根さんに目をやると、いつも通りに仕事をしている。彼は今組版の計算で一杯のよう。
 ドアを開けると、非常階段の窓にもたれておれを見ている。
 側に寄っていくと、抱き締められ階段へ押し倒された。
「も少し、やったのに…嫉妬に身を焼く思い、て知ってます?赤城さん」
 心なしか、彼の力の籠もった腕が震えてるような気がする。
「欲しい……欲しいわ。下さいよ。赤城さん。少しでいいから……半日でもいいから」
 キスもしない。肩に顔を埋めてるが、愛撫するわけでもない。
 ただ、微かに震える腕で、精一杯おれを抱き締める。
 おれは右手て彼の頬をなでた。濡れた感触。そっと、顔を向かせる。
「高階クン……」
 思い詰めた表情で、彼は涙を流していた。おれは両手で抱き寄せた。
 この子は、悪魔なんかじゃないのだ。煽ったのは、おれだ。
「原田さんは、卑怯やわ。……その気もないくせ、あんなこと」
 嗚咽混じりに、彼が言う。おれはただ、強く抱き寄せるだけ。あやすように、何度か背中を叩いた。
「こうやって掴んどるのに、……空しいわ。砂を抱いてるよう……」
「しゃあないやん。原田は何も知らんのやもの。……もう、あきらめな。つらいだけ、かもよ」
 彼は肩で息し、整えると、ホーッと溜息つき、少し腕を弛めた。
「……ごめんな」
 おれは謝った。彼は頭を振り、切ない笑みを浮かべて、身を離しエレベーターの方へ行った。
 高階クンが、泣くなんて……。
 ふと、思い出す。
「おれは、おれなりに誠実ですよ」
という言葉を。

 その日の夜は、ショックが続いてて、原田の顔もまともに見られないような気がした。
 ましてや、Hなんて……出来そうもない。
 原田が帰って来るのを待つ間、おれは我慢できず、カートン買いしてあるタバコを手にした。久しぶりのタバコ。
 一口吸うと、落ち着いてゆく。
 これを吸い終わったら、電話しよう。
 誰にしよう。……達っちゃんか、張さんか。それとも、……高階クンにしようか。
 短くなったタバコを、押しつぶす。ついすぐに二本目をくわえてしまう。
 それからおれは、思い切って高階クンに電話した。ふと時計を見る。九時過ぎである。留守電だった。
「赤城です。……ごめんな。元気出して……」
と言ってると、受話器を取ったようで、
「赤城さん?」
と勢い込む。
「何や……おったん。トイレでも行っとったん?」
「一人エッチ」
「また……全然こたえてへんのちゃう?ホントは」
「こたえてるよ……でもこうして、赤城さんが電話してくれたから、」
「元気出た?」
「Hせえへんから、一度デートしてよ」
「ウソやろ。信用できひん」
「ホンマやって」
「でも、今……空きがない」
「今度、おれが休みで、原田さんが出の日にでも、」
「んー。知ってる?来週の日曜、オレ誕生日」
「それで?」
「別に……。あ、明日はオレ休み」
「原田さんは?」
「さあ…何も聞いてへんな。そういや。来週の話はするけど。出、ちゃう?」
「オレ、今から誰かに代わってもらうわ。決めたで、赤城さん」
 ほだされてしまった。凄く嬉しそう。
「うん……Hしないでよ」
「うん、しない」
 もうタバコを吸う気もなくなり、ホッとし、でも吸ったことがバレたらヤバイので口を開けたタバコはおれのバッグの中へ。灰皿は、洗う。
 十時前には、原田は帰って来た。
「ただいま」
と口元に笑みを浮かべ、言う。
 やっぱ、彼を見ると、それだけでホッとするなあ。
「原田。明日お前休み?」
「何で?出やけど」
「友達から電話あって、会われへんかって……行ってきていい?」
「わざわざおれの了解いるんか?じゃあダメ」
 こいつ……。でも確かに、わざわざ「行ってきていい?」なんて訊くのはやましいからだよな。
 それから点てていた風呂に2人で入った。
「どこ行く?」
 と来週のおれの誕生日の話をする。
「どこでも……。高階クンに負けんと、リッチに行きたいな」
「おれの誕生日は、リッチやったよな」
「あれは、赤字やで」
「白浜にでも、行く?」
「いいね……アドベンチャーワールドとか」
「志摩スペイン村とか?」
「長島スパーランドとか?」
「何がええねん。はよ決めや」
と言われても困る。
「白浜、かなあ……」
「そうと決めたら、宿の確保やな」
「あ、そうだ、春スキー……。もうあかんかな」
と言えば、びっくり目される。
「懲りてへんのか、お前」
「何を懲りることあんねん。おれは、滑ってたで」
 フロから上がって、二人で高階クンのお土産で晩酌をした。やっぱ、ビールより日本酒の方が合うみたい。
 昨日具体的な話は何もしてなかったと、原田が出かけてから高階クンに電話してみた。
「オレ……赤城。昨日の話やけど」
「もしかして、あかん?」
 すがるような声。
「いや、……何も決めてへんかったなーと、……君こそ、ちゃんと休み取れたん?」
「大丈夫大丈夫」
 弾むような声で言う。おれもなんだか嬉しくなる。
 ウチに来られても困るし、彼の家まで行くのも…と、主要駅構内の喫茶店で待ち合わせする。
 だけどおれはもう、彼が怖くなかった。悪魔だなんて失礼なことも思わなかった。むしろ、ウキウキしていた。
 おれは姿見を見ながら、あれでもないこれでもないと、小娘みたいに服を選んだ。一体どんな服が合うかな。カジュアルか、ドレッシーか……オシャレ系か。アウトドアか街中か。
 さんざん考えあぐねて、今一番気に入ってるカッコ、黒い小さめのシャツに白いストレートジーンズ、黒いブーツといういでたちで行くことにした。70年代っぽいシルエット。
 一応デートなんだし、もっとラフな、可愛げのあるカッコの方がいいかな……とも悩む。
 電話をしたのが九時。約束の時間は十一時半。時間を指定したのは、高階クンだ。
 約束の時間の五分前に茶店に行くと、彼はもう来てた。
 互いに気恥ずかしくて、照れ笑いを向け合う。おれは向かい合わせに座った。彼は両手で頬杖ついて、おれをニコニコ見る。
 彼は、白いパーカー風のゆったりしたトレーナーに、とことん細身のストレートジーンズ、白いスニーカーを履いていた。胸元のファスナーが、鎖骨の下まで空いてる。セクシーである。ちょっとドキドキしちゃう。
「……全然、ファッションの系統違ってるな」
と言えば、
「いいやん。似合ってれば、さ。赤城さん、かっこいいよ」
「高階クンは、セクシーやで」
 二人で気持ち悪くて、尻こそばくて、笑ってしまう。
「で……どこ行きます?」
「高階クンは、どこ行きたい?」
「いい天気やからなー。……外がいいな。でもあんまり人がようけいると手も繋がれへんからなー。…おれは赤城さんといられて、気を回さずに済むとこやったらどこでも」
 それから色々レジャーなところを上げていき、某海岸べたの某水族園と話が決まると、
「じゃ、」
と彼はレシートを取った。
「やっぱ車取りにいきません?電車やと、気を遣うし」
「遠いんちゃう?」
「電車で二十分くらい。…駅近いし」
 電車の中では、あまりしゃべらなかった。ドア際に立って、外ばかり見ていた。
 時折彼を見れば、彼もおれを見ていることが多くて、はにかむような、嬉しそうな笑みを向けてくれた。おれも似たような顔を向けているだろう。
 彼のマンションまで行って、車に乗り込むと、初めて彼はおれをまじまじと見て、笑う。
 車の中では、色んなことをしゃべった。
「オレ、赤と呼んでいい?今日は」
 彼が水族園の中に入ってすぐの大水槽の前で言った。
「で、カズと呼んでよ」
「うん。……カズ」
とニヤけて言えば、
「何、赤」
と言った後、二人で噴き出す。
 さっと水族館の中を流し、ピラルクーや、ラッコの間を抜けて、スナックの売ってあるところへ行った。おれがビールを買う間に、彼がタコヤキと焼きそばを買う。
「赤、赤、」
と彼がおれを呼ぶ。彼は、木陰のあるベンチの前に立っていた。
「ここで食おうや。二人で、ひっついて」
「ひっつかんでもええやん。人目気にしろよ」
「ええやん、」
と座って彼はおれの手を引っ張る。危うくビールが零れそうになる。
「楽しい?」
と訊けば、ニコニコして、
「赤は?」
「カズが楽しけりゃ、おれは楽しいよ」
「めっちゃ楽しい」
 いるかのショーを見て、おれたちは海岸へ出た。高階クンは、手を繋ぐ。
 そのまま砂浜を歩いて、松林の方まで行く。
 松の木陰でしゃがむと、買っといた缶ビールを空ける。互いに顔を見合う。
「大分暑つなってきたな」
 彼の顔を見て言えば、
「そんな黒いの着てるからやで。脱げば?」
「脱ごか?」
 おれはボタンに手をかける。その手を掴まれる。
「脱ぎなや……。まだ」
「何、言うてんの?今日はせえへん、言うたやろ?せえへんで」
「信用してた?」
 彼がニコニコして言う。
「してるわ。だからこうして来てん」
 彼も暑いのか胸元のファスナーを更に下げ、少しバタつかせると、立ち上がって松に手をかけ海を見た。彼の背中越しに、おれも海を見る。
 ふと、思い出す。この海は、原田と愛を確かめ合った海だ……。
「今日は、誰かと代わったん?」
「うん。同期のヤツに、ムリヤリ代わってもろた。大事な用あるからって……」
「大事な用が、これやと知ったら怒るやろうな」
 すると彼は身体をおれの方に向け、見下ろし、
「大事な用やで……。今のおれにとって、一番」
と言う。
 また水族館に戻って、ラッコの水槽の前でおれは、
「カズ、カズ、」
と彼を呼んだ。彼は後ろに立って水槽に手を付き、
「何?」
と訊く。息がかかりそう。なんかドキドキする。
「カズに似てる……これ」
と笑ってラッコを指せば、
「えー?そう?」
 少し口元をへの字に曲げる。そして暫く見た後、
「赤は、あれに似てる」
と言う。
「何」
「ピラルクー」
 ムッとする。あんなのっぺりした魚の、どこがおれに似てるのか。
 ラッコの仕草を真似したのか、彼は後ろからおれに手を回す。フワッと。
 これじゃまるで、ホントのデートじゃないか。……
「カズ……。人目、気にしろや」
と少し振り向いて言えば、彼は笑ってた。
「ええやん……。おれは、気にせえへんで」
 そしておれの顔をのぞき込み、
「ね」
と言う。そしておれの手を引き、歩き出す。
 何人かの人に、振り返られた。
「ね、お願い」
 彼は駐車場で、車の前でおれの両手を掴み、少し振りそう言った。いつも以上の、なつっこい笑い。
「でも……、」
とおれは渋る。
「ええやん。頼むわ、赤。……落ち着いて二人になれるとこって、あそこしかないもん」
「今日は、せえへんって言うから、おれは来てんで。……また、おれを騙す気?」
「騙すなんて、とんでもない。……最後のお願い聞いて。人目のないとこで、ゆっくりと、存分に甘えさせてよ。…それだけやん。だから、頼むわ」
と、彼は掴む手に力を込める。
「ホンマに、それだけか……?」
「ホンマやって」
 すがるような笑みに、負かされる。おれは頷いた。彼はこれ以上ない位晴れやかに笑うと、更にぎゅっと力を入れた。
「赤は食い意地はってるって、マジやねんな」
 車を運転しながら、彼が言う。
 確かにおれは、よく食った。飲んだ。タコヤキ、焼きそば、ポテト、チキン、バーガー、……いいじゃないか。旨そうなもの、食ったって。
「でも全然太らへんな。化け物ちゃう?」
「またおれを人間でない物にする気?」
「おれは悪魔やねんろ?」
 おれは窓の外を見ながら、
「ううん、……もう、そんなこと思てへん」
「赤……」
と、膝の上の手を握られた。
「今は、やで。今は。これからどうか知らん、」
 一ヶ月ぶり位に、彼のワンルームに足を踏み入れる。
 相変わらずこざっぱりとした、明るいシンプルな部屋である。シングルよりちょいデカ目の、例の黒いスチールのベッドには、今日も白いリネンの布団が、差し込む陽光を反射していた。
「白いリネン、好きやねんな…」
とベッドを見て言えば、彼はテレビを付け、冷蔵庫からカクテルの元と炭酸を出した。
「赤が映える色やもの」
「また……!帰るわ、」
「待ってよ、ウソウソ、」
と後ろを向いたおれの手を引く。
 テーブルに座って、彼がカクテルを作る。赤い液体。シンガポール・スリング。いつの間に覚えたのか、おれの好きなヤツである。
「カズはほんまコマし方知ってるよな」
と作ってもらったグラスを渡されながら言う。
「そら、百連百勝やもの」
「そういうとこ、危ないよな」
「何で?好きっていう気持ちの伝え方やん。好きやなかったら、出来ひんで」
と、口を付けておれを見ながら彼が言う。
「やめよ、こんな話……。仕事の話、しよか」
「何でわざわざ仕事の話やねん。熱血サラリーマンやあるまいし、」
「原田の話、しよか」
「イヤミやな。おれ悪口しか言わへんで」
と軽く睨まれる。
「言うてよ」
と顔を突き出せば、彼は目を伏せ、
「大体な、原田さんはワガママやわ、おれの取ってくる仕事に文句しか言わへんし、説明もまともに聞いてくれへんし、すぐ、後にして、言いよるし…。酒は弱いくせして、飲んだら暴れよるし、いつも面倒見るのはおれか青木さんやで。でも原田さん、ゲロ吐いてもからむやろ、」
「そうそう、何がなんでもからむ元気だけはあんねんな」
「人のツラ見たら、ガキ、かあほう、のどっちかやで。おれ、大人やで……」
「でも、ツラはガキやもの。カズ君」
「でも、ガキやないの、知ってるやろ?」
と身体を寄せる。空いたファスナーから、ヘソまでのぞけた。
「それに、人の気持ちで遊びよる……」
 側に寄せた顔をしゃくり上げる。近すぎだ。おれは少し身を引いた。
「な、赤。……ヤなヤツやで。原田さん。どこがええん、」
「言うたら、止まらへんで」
「言わんでええわ」
 その時テレビに和久井映見(注:時代を感じますなー)が出た。
「わ、エミチャン、カワィー」
とテレビを見て言う。おれは身を引き、
「ダッサ、エミチャンだって、カズ、だっさー」
「ええやん。可愛いやん。赤みたいに、意地悪そうやないし。赤は、誰が好きなん?」
「観月ありさとか、浅野温子とか、今なら、山口智子?」
「女っ気ないやつばっかやん。……赤の方が、なよってるから丁度いい?」
「おれはなよってへんで、」
と今度は身を乗り出し言うと、彼は抱き締めた。その身体が熱い。
「ダメ……。赤、いい……?」
「Hしないって、言うたやん、」
 おれは肩を掴み、引き剥がそうとする。
「じゃ、キスだけ……」
と、おれを背後のベッドにもたれさせ、膝を割って身を乗り出し、ゆっくりと顔を近づけてくる。唇が、触れる。
 それがどういうキスだったかなんて、おれには上手く表現できない。ただ、しっとりと優しかったと言える。
 小鳥がさえずるように、舌を触れあわせ何度もちまちまとしたあと、彼はおれを抱き締め頭を掴みおれにのめるようにして熱く、深く口づけた。
「……」
と、おれは声を出したくても、出せない位に。おれは少し諫めるように強く彼を掴んだ。
 それは五分も続いたろうか。
 彼はおれをしっかりと抱き寄せ荒く息をついた。
「赤……止まらへん。ゴメン」
 そして首をかき抱き、骨の髄までしゃぶるような勢いで首筋に食らいつく。
「困るわ……カズ、止めて、」
「頼むわ……これが、最後やから。絶対最後にしてみせるから」
「………」
 彼はもう完全に火がついているのだ。燃え広がる炎を、いったい何で消し止められるだろう。おれにはちょっと思いつけなかった。
 彼は腰に腕を回し、じわじわと愛撫を加えながらおれをベッドの上へ上げていった。
「最後やな……もう、これ以上は、許されへん。……信用せん」
「絶対ウソはつかへん。誓うわ」
「………」
 彼はおれを愛撫しながら、震える指でボタンを外していく。
「あっ、」
 はだけさせると、抱き寄せる。そして彼は片手で自分のパーカーのファスナーを全部下ろした。はだけた胸と胸が密着する。隙間もないくらい身体をくっつけて、口づける。おれは彼の腕に、口に踊らされていく。
「想像より、ずっといい」
 そんなおれを見て彼が言う。
 その頃には、二人とも全裸になってた。
「白いリネンは、きれいに見せる……。いや、よりきれいに見せる、やな」
 身体のすみずみまで、たんねんに彼は舌をはわせる。
 おれはただ、のたうつ。
「あ、あっ!」
とより強く声を出す。彼がおれの中に入れた後、より奥へと押し込むために、腰を掴み突き上げる衝撃に、身体がバラバラになりそうなショックを覚えた。
「赤……赤、」
 彼がおれを呼ぶ。
 気も狂うような彼の激情の中に、おれは確かに彼との終わりを感じた。


「愛してる……愛してるわ。赤」
 彼はそう言うと、おれから顔を上げた。おれも見上げる。
 なんだか泣きたい位切なかった。ただ黙って抱き寄せあうと、暫くして彼は身を離した。
 原田より先に出会っていたら、きっと彼を愛していた。
 でも、原田と付き合っていなかったら、会うこともなかったろう。
 会っていても、彼がおれを好きになったり、おれが彼を好きになったりすることもなかったのではないだろうか。
 運命の神様は、いたずら者である。
 それから彼は車で送ってくれ、家の前でドアを開けようとすると彼は腕を掴み引いた。
 おれは、彼に振り向く。すがるような、でも、どこかであきらめたような表情をくれる。彼が掴む腕にじわじわと力を込める。おれも握り返す。
「赤……」
と呼ばれる。おれは少し笑って、
「じゃあな。バイバイ…カズ」
 彼は、力無い笑みを浮かべる。彼は指を組み、ぐっと握る。
「赤……さいなら、赤」
と名残惜しそうに言うと、彼はフッと力をゆるめ、手を離した。
 車から出ると、おれは屋根に手をかけ、中を見、……何か冗談でも言おうと思ったけど、思いつかなかった。
「あ、そうや……」
 おれは自分のバッグを開け、口を空けたタバコを出した。
「やるわ。これ」
「何で」
 受け取りながら彼が言う。
「おれは禁煙中やもの。君が吸わせてんで。おれに……」
 すると不敵に笑い、軽く礼をする。
「おれもあってん。プレゼント……」
と、後ろから出す。
「食べ物?」
と訊けば、笑って首を振り、
「食い意地はってるなー。…ハイ」
「服?」
 受け取った袋の感触で、そう訊く。
「うん。……着てきてよ。赤城さんしか似合わへんようなやつやから」
「変わったやつちゃうやろな」
「ちょっと変わってるかも」
と彼が笑う。
「幾ら何でも、フリルとリボンはお断りやで」
「ちゃんと男物やから……それじゃ、また」
と彼はエンジンをかける。
「ありがとう。じゃ月曜な」
 おれはドアを勢いよく閉める。彼はクラクションを鳴らして、走り去った。
 この、寂寞感は何だろう。
 束の間の、かりそめの恋人同士は終わって、また、月曜から元通りの「高階クン」と「赤城さん」に戻るのだ。
 おれは包みを握りしめ、眺めた。
 家に入って、開けてみて、成る程これはおれしか着ないだろうと納得した。
 流行りの、透ける柔らかなシャツ。黒地に、縦のラインとアラベスク模様が走ってる。ジョーゼットだ。
 白いストレートに言うだろう。レーヨンパンツでもいいな。ブルーのストレートも良さそう。おれは姿見の前で当ててみた。
 そうしていると、鍵の回る音がし、原田が帰って来た。思わず時計を見る。早い。七時だ。
「今日は早かってんな」
と目を丸くして言えば、
「土曜やもん。……何それ。また買った?」
と言う。
「うん。……欲しかったから」
「また金ばっか使いやがって」
と上がってバッグを放り投げ、言う。
「怒ってる?」
 彼は改めておれに顔を向け、
「うん。……でも、似合ってる」
と笑う。
「おれしか似合わんと思わへん?これ」
と、彼の方に向き直り当ててみせれば、
「おれかって似合わんことないやろ」
 そう言われてしまえば、そうかも……。
「でも、お前しか着いひんよな。そういうの」
「それ、どういうイミ、」
「おれも好きやで。お前のそういうカッコ」
 そう言って彼は優しく笑う。そうだよなあ。どんなにオシャレしてみても、彼が一番喜ぶのは中性的なドレッシーなスタイルなのである。
「ありがとう」
 おれは素直に頭を垂れた。
 疲れて帰ってきた彼のために、おれは久々に料理を作る。
 なんか前にもこういうことあったような…おれってやましいことがあると、料理の腕を振るうらしい。あの時はエライ目にあったが、あの時と今日ではおれの心理状態に格段の差がある。忌まわしい記憶を振り払い、ついつい自分の好きな物を作ってしまう。
 野菜のカキソース炒めと、ブタの薄切り肉のショウガ焼き。脂っこいから、温野菜のブロッコリーとオニオンスープもレンジで作った。ドレッシングは、トーゼン、ノンオイル。原田は、おれの食い意地をホント怖れてる。タバコをやめたから、余計だ。
「今日、どうやった?」
 彼は、ショウガ焼きに箸を付けながら訊く。おれもゴハンをほおばりながら、
「うん、楽しかったよ」
と答える。
「何処か行った?」
「水族館行って、イルカ見て、彼ん家へ……」
「まるっきりデートコースやん。危ないやつちゃうやろな」
「そんなに妬きなや。心配いらんって。普通のやつは、多少きれいかっても男なんか相手にせえへんって」
「じゃ、おれは普通やないんかい……愚問やな」
 おれは彼に目を向け、
「うん」
「でも、まだ普通やで。お前に比べれば」
 ウッ、となる。おれもそう思う。原田は、おれを抱き、幾分かおれの中に女を見てるかも知らんけど、おれは男のくせ、彼の男らしさに惚れている。いいように、抱かれる。
 彼は、そんなおれに気付き、
「いいって……。おれは、責任取るから。第一お前を放されへん」
「おれがハゲても、抱いてくれる?」
「そん時はアデランス行ってもらうわ」
「しわしわの、じじいになっても、」
「二人ともシワシワやん。……金貯めて、いい養老院行こうな」
「……。想像したら、気分悪なった」
と箸を止めれば、
「どうせ年取んねん、そん時は、そん時で何とかなるわ」
 彼は平気でパクつく。
「でも、おれって、変わってるよな……男しか、知らんし。普通のやつと思とったのに。思い切って、ソープくらい行っときゃよかった」
「でもお前は、おれや達がおらんでも、いつかどこかで、男にヤられとったんちゃう?」
「……そんなに?女っぽい?なよってる?」
「いいや。…とも言われへんけど。なよっては、おれへんで。でもお前は、何か男を狂わすもん持ってる…」
「男を狂わす……くっさー」
 それからおれは少し頭を振り、
「でも最近、マジで思うねん。おれの人生、どうなっていくんやろ、って…。今は若いから原田ともし別れたとしても次が引っかかるかも知れへんけど、…いや、それも怖いけど、…引っかかりもせえへんかも知れへん。引っかかっても、あっという間に捨てられるかも…でも、三十過ぎたら、…可愛い男なんて、ただ気色悪いだけやで。まだキレイでいれたらいいけどさ…そん時、おれは女と付き合えるのかなあ、ちゃんと抱けんのかなあ、……て」
「思い切って性転換してみる?」
「イヤやよ……!おれはスカートも化粧も女言葉もごめんやで」
「心配しなや……おれは、責任取るって、言うてるやろ」
「いいよ……ムリせえへんかっても。飽きたら、イヤになったら別れてよ……。お前は普通のヤツやもん。いい男やし」
「お前も、いい男やで」
「………。お前、やっぱ女がええんちゃう?スカートはいて、チャラチャラした、……そして、お前の子供が作れる、」
 すると、彼は鋭い目をくれた。
「情けないな……!お前が好きやと、何度言わせたら気が済むねん。そんなこと、百も承知やわ。もう、そこは諦めてるわ……それでもお前がイイから。おれは絶対、お前を誰にもやらへん。……何で分からへん、」
 おれは箸を置き、俯いた。声が詰まって、なかなか出ない。
「分からへんよ……おれは、お前とちゃうもの。……おれはそんな、気楽な立場やないし」
「じゃ、おれを犯してみたら、」
「……イヤ。したくない」
「お前、おれに飽きそうか?捨てそう?」
 おれは首を振る。
「お前のいない生活なんて、考えられへんよ…」
「同じやで。……そう、思ってろ。お前を失くすことが、今一番怖いわ」
 おれは嬉しさと、何か知らん色んな感情に押されて、こたつにうつぶせて声を殺して泣いた。おれはここのとこ激情家で、半年ほどの間にどれだけの、どれ程の種類の涙を流したろう。昔は、冷めて涙も涸れきっていたのに。
 そっと目を上げると、彼の目も潤んでいた。
 おれは鼻をかみ、味のしない食事を口へ運んだ。
「来週……な」
 彼が口を開く。
「宿取れたから。また車で行こうな。ちょっと思てんけど、鳥羽なんかでも良かったな」
「水族館?おれも思ったわ。あそこめちゃめちゃでかいねやろ?」
「でもお前、今日行ってんやろ。水族館。他の男と」
 少し胸がちりちりする。罪悪感だ。
「でも、行きたい…。今度行こうな」
「いつになるんか分からへんけどな。……欲しいもん、ある?」
「一眼レフ!」
 即座におれは答えた。
 その日おれはわがまま言って、一人でフロに入れてもらった。湯船の中で、手すりに両手でもたれながら、高階クンのことを考えた。  彼は、今何してるだろう。泣いているだろうか。
 そして、原田のことも、……彼らは、どうしておれなんかにあそこまで熱くなってくれるのだろう。おれみたいなのに構ってないで、もっとちゃんとした可愛い子がすぐ掴まるヤツらなのに…
 おれは張さんに言われた言葉を思い出し、いい加減ウダウダした思いから浮上することにした。
「あれだけ好きでいてくれるんだから、自信を持ってないと失礼だ」
 一度は心平らかな日々を掴んだつもりだったのに、結局こうやって同じようなところでぐずぐず悩んでしまっているとは、おれって進歩ないのかも。

 月曜日、おれは早速例のシャツを着ていった。
 少し透けるから、下に黒いタンクトップを着て、…やっぱり、白いストレートが一番良さそうなので、まずはそのコーディネートで。シャラシャラ…とした軽い肌触りが、気持ちいい。
「赤城さん、…なんて言うか、きれいー」
と吉川さんが朝一番に挨拶する。
「似合ってる?ヘンじゃない?」
「いや、いいわ。全然ヘンじゃないですよ」
「ありがと。貰ってん、これ」
「奥さんですか?」
と笑みを含み言う。
「いいや……別のヤツ。友達に」
 主任も目を丸くして、おれを見た。
「ちょっとヘン?」
と訊けば、
「赤城君らしい」
と言う。どういうイミなのか。
 仕事をしていると、潮崎さんがやってきた。目を向けると、おれに釘付けになってる。
「ヘン?…やらしい?」
「うん。ちょっとアブナイ。そーいう人に、見えるかも」
 おれは少し笑い、
「そーいう人やと言うたら、どうします?」
 彼は少し言葉を無くし、ただおれに目を注ぎ、
「あほう、気色いこと言うなや…お前、男やろ。でも、似合ってるわ…あんまり褒めんとこ。いい気になるやろから」
 そして手にしているコピーに目を落とし、
「これ…。午前中、お願い」
 おれは彼から受け取り、眺める。
「はい」
と目を上げると、目が合った。そしてただ佇むと、ややして彼は席へ戻った。
「すいません、」
と上がった写植を持っていくと、彼は一瞬おれに目を向けた後さっとそむけ、
「ありがとう」
と言う。
「美保チャンに聞いてんけど、貰ってんてな。それ……」
とおれを見ず仕事の手を休めず言う。
「ええ。今度の日曜、おれ誕生日なんで。……ヨロシク」
「何でおれが。やるか」
「ケチですね」
「ド厚かましいヤツやな、お前、」
とやっとおれを振り返る。おれはニヤニヤ笑って自分の席へ去った。
 お昼時に待ち合わせ場所へ行くと、原田と高階クンが並んで壁にもたれてタバコをふかしていた。二人して、おれを見る。高階クンが嬉しそうに笑う。
「似合ってるやん」
 原田がおれに目を注ぎ言う。高階クンも眩しいものを見るように、
「うん。よう似合ってますよ……」
「こいつまたおれに黙って服買うてんねんで。給料は安いくせ、食うわ服は買うわで維持費大変。おれなんか服買う間もないくらいせっせせっせと働いてんのに。おれの金全部吸い取りやがって、」
「そんなことないやん、」
「原田さん、いいやないですか別に。赤城さんがきれいでいられるための維持費と思えば、」
 高階クンが言うと、
「そんな言うてられるのも初めのうちだけやで」
「原田、おれは自分の金で買うてるやん。貯金もちゃんとしてるし、文句言われる筋合いはないわ、」
 すると、おれを見、
「あほう。少しは自分用の貯金もせえよ。あの金は、使い道決まってんねんから」
 歩いていると、むくれて後ろを行くおれを高階クンが笑って振り返る。ドキドキする。前行く二人が、共におれの身体を知っている……。
 だけど、まるで普通。
「じゃ、おれが赤城さん貰いますわ、」
と声をデカくして言うと、高階クンはおれの手をぐいっと引っ張る。笑ってる。
「いかん。……お前、アブナイなー。青木君も言うとったけど、剥いてしまえば、男やで」
「そういやそうやなー。…でも原田さんは、ヤル気が起こんの?」
とまだ手を握ったまま歩きながら高階クンは言う。
 原田は高階クンの手を叩き、おれの手をもぎ取ると、
「起こるよ。こいつ化け物やもの」
 高階クンは少し目を上げ宙を見て噴き出した。
「資金大分貯まりました?」
と中華の日替わり定食を食べながら高階クンが訊く。
「百万くらい。三ヶ月で」
「早いですね」
「まだまだ……。高階、お前も一緒にせえへん?金はええから、うち来いや」
「おれに仕事取ってこれるか、心配らしいよ」
とおれが言えば、高階クンは、
「いいですよ。言ってくれて、嬉しいです」
と笑う。
 別れ際、高階クンはスキを見て、
「ありがとう」
とささやき、去った。
 強い男だな……と初めて思った。
 彼は、ガキじゃない、立派な大人だと。
 その帰りのエレベーターの中で、潮崎さんたちと一緒になった。なぜか彼はおれを見ない。唯野さんはニヤニヤして、
「ヤバそうな、ハデなん着てるやん」
「……そう?目の毒?」
「潮崎には、毒かもよ」
と笑って彼が潮崎さんを見ると、潮崎さんは、
「また……!おれをホモにすんないうてるやろ。おれは似合ってるとは思うけど、ドキドキしたりするかい」
 じゃ、何で今日はおれをまともに見ないんだ。彼のことは、考えて服を着て来なかったな。
 その日の午後、また
「赤」
と背後から呼ぶ声。これは、原田の声だ。
「何しに来てん。また。来んでええ言うてるのに」
 おれは振り向きもせず言う。
「仕事やんか。おれかって来たくないわ。お前がまた寝てへんかなー、つまらん失敗して怒られてへんかなーって心配しながら来るおれの身にもなってみろや」
「優しいよなァ。ほんまお前は」
「ムカつくな、」
 振り返ると、指に火の点いてないタバコを挟んでる。
「いらっしゃいませ、」
とニコニコして吉川さんがおれの後ろの文字校正用の空きテーブルにお茶を持ってくる。何でここに持って来るんだ。
「ありがとう」
と笑って答える原田。
「あの、灰皿貸してもらえますか」
と言えば、吉川さんははにかみ、「ハイ。今すぐ」と言う。
 その間原田は火を点け、後ろのテーブルの椅子に座る。
 別の女の子、ワープロの田辺さんがはにかみながら灰皿を持ってくる。
「すいません。どうも。おおきに」
と笑いかけて原田が言えば、さらにはにかむ。
 田辺さんは、彼氏がいるという話は聞かないが……。
 田辺緑さんは、肩より下までのレイヤーをフワフワと流してる、二十二の女の子。
「女引っかけに来てんちゃん?」
と振り向けば、
「おれは自分から引っかけに行ったことは、二度くらいしかないで」
「そらまた。おモテになるこって…よーござんすね」
 彼は椅子を近づけ、後ろから覗き込み、
「どれどれ。お前の仕事ぶり見たろ、……」
 近づき過ぎだ。ドキドキして、焦る。
「フーン。……これで何分位かかんの。この機械やと」
「三十分くらい」
と、組み打ちしている物を見て言う。
「おれやったら、二十分くらいかな」
 イヤミである。
「早く、仕事貰って帰ったら?」
 画面に釘付けで、仕事しながら言うと、
「もう貰たよ。帰るだけ」
「じゃ、早く帰って仕事せえよ。また遅うなるで」
 その時、「赤」と潮崎さんが寄って来た。原田も反射的に彼を見る。
「あれ、説明」
と潮崎さんは打ち合わせテーブルを指さす。
「はい」
と返事した後、
「原田。早く帰れよ。……達者でな」
 おれは立ち上がる。
「すいませんね。こいつのこと、宜しく頼みますわ」
 原田は潮崎さんに軽く頭を下げて立ち上がった。
「原田君、保護者ヅラはやめてちょーだい」
 潮崎さんは、無言で原田を見た後、やっと笑い、
「気にせえへんかっても、おれはビシビシやってるで」
 打ち合わせテーブルで、営業から説明を受けた後、いつものように二人で細かい打ち合わせをする。
「彼?」
と突然訊く。
「エ?」
と彼を見直せば、彼はラフに目を落としたまま、
「それ、くれたん……?」
「イエ、違いますよ」
「てっきりそうやと思った」
と彼は立ち上がる。
 おれも立ち上がって、別れた。何もわざわざ言うこともないだろう。くれたのは、高階クンだと。
 その夜、嬉しそうに原田はそのシャツを脱がせた。
 その上で、
「素肌の上に、直接着てよ」
と要求した。

更にオメーラ楽しそうだな。オレなんか……。……。 赤城君ったらゼイタク者。 自分で書いた話なのに、しまいにゃ怒るでしかし!
この話も-5-同様、かなーり再構築。というか、話が前後しています。ので高階クンとのデートの約束から当日まで日が空いててウキウキするカワイイ(キモイ?)高階の姿が拝めたりしたのだが…

(ここから再開整理後追加)
こっちも10年の時を経て、若干加筆修正。キモ可愛いらしい高階を見たくて忘れきってたノート見たら使えそうな原田とのやりとりがあったので。風呂場のやり取りです。初回入力時には白浜なんてバラしたくなかったからさー……今はもうどうでもいいやw

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