前回までの活躍数 | |||||||||
道隆 |
土井 |
原田 |
小山 |
潮崎 |
達彦 |
赤城 |
高階 |
吉田 |
野々垣 |
2 |
-1? |
±1 |
1 |
試合:突然ですまんがいきなり最終戦。
あれからちゃくちゃくと(?)試合は進み、あぶなっかしそうながらも勝ち抜け、いよいよ最終戦、優勝決定戦までおれたちは進んでしまっていた。
「信じられない……」
ぼーぜんとつぶやけば、「信じられる、こんなん当たり前」と潮崎さんに返される。
「勝つぞ!」と潮崎さんが円陣組ませて気合いを入れればここまで来ちゃって何かに憑かれたように気分ノリまくってるみんなが「うぉー!」と叫ぶ……
「……コワイ」
おれが付いていけずに引いて言えば、
「雰囲気乱すな。何冷めとんねん。ノリが悪いぞ、赤」
と原田に頭を押さえられた。
体育会系でなく、販売系のバイトも「いらっしゃいませーどうぞぉ!」とか恥ずかしくて、というか気後れして出来ないおれには付いていけない雰囲気で……ここにいる連中て大半がこーいうノリなんだよなぁ。……あ、達っちゃんは体育会系じゃないけど、結構こういうのはちゃんとノル方なんだよな。おれだけか。ぶっちゃけ試合にも勝ちたくないし、おれだけ疎外感だ。と思って押さえられた顔を上げれば。
いた。こーいうノリでないクールな人物が。ましてやおれの唇なんぞに興味のなさそうな人が。野々垣さん。
野々垣さんはリリーフを仰せつかって、結局今まで試合に出ていない。高階クンは、全く安定感の欠片もないけど、1人で今まで頑張っている。
四球が多いし球数はかなりの筈だけど。肩大丈夫なのだろうか。死球も多いけど。
「うしゃーいくぞ!」
とかけ声かけて、手にぺっぺっと唾かけて、道隆クンがバットを握る。
最終戦は先攻だった。
道隆クンは、普段は甘えたな感じのいかにも「原田弟」って感じだが、さすがスポーツしているとカッコイイ。今、こうしてバッターボックスに黙って立って、ボールを真剣に待つ横顔は……
カーン。
乾いた金属バットの音がして、ふと気付けば道隆クンは一塁に余裕で立ち、こっちに向かって親指を立てている。というより、明らかに自分の兄貴、原田に向かって。
横に立つ原田の横顔が、微妙に険しい……
なんせ道隆クン、どういうわけかここぞというところで活躍し、前の試合でも決勝点を叩き出していた。
さすが甘えたな感じでもこの中で一番の学歴の持ち主というところか。土井さん除く。
ってスポーツに頭ってやっぱ必要だろうか……?と2、3知ってるプロ選手のヤクザまがいの顔が浮かぶ。
基本的に、いらなさそう?
道隆クンはヒットを打ったけど、その後はトントン拍子に(?)凡退して、あっさりチェンジと相成った。
高階クンは、まだまだ投げ続けるのか?大丈夫なのか?
その彼は今、ベンチに俯いて座り、左手で右手首を支えている。
「高階クン……肩大丈夫?投げ続けれるの?」
そろそろ野々垣さんにでも代わってみては……彼ならしゃかりきにならなくてあっさりクールに負けてくれるかも…
すると高階クンは顔を半分上げ、ニヒルに笑うと、ぐっと左手に力を込め、
「大丈夫ですよ。マウンドは……おれが守ります。この肩が、たとえ壊れようとも押さえてみせます!」
酔ってるなぁ。ピッチング内容は最初っから壊れ寸前のフラフラでハラハラなのに。
高階クンも頑張って押さえ、しかしこっちもさすが最終戦まで勝ち上がってきたチーム相手になかなか点を奪えず、じりじりと中盤まで進んでいた。
なんでも相手のピッチャーは甲子園出場選手(レギュラーでなく思い出要員)、今までのシロウトとはやはり違った。
なかなか点をくれるとは思えない。遠い1点。だから先取点を取られるわけにはいかないのに……じりじりとした焦燥感が足下から這いのぼる……
っておれ、なんでそんな心配してんだよ。負けたいんじゃなかったのかよ。
でも…でも。そうだ。おれはわざと負けたり失敗したらみんなにキスじゃんか。と頭をブルブル振った。
そう自分に、言い聞かせて。納得させて。
外野から見る高階クンは、自分に酔ってはいても、腕は、身体は既に疲れているのが見て取れた。
元々のフラフラタマが、ヒョロヒョロに威力がダウンしている。こういう荒れ玉
ピッチャーはたまに入るストライクがとても有効なのだけど、見せ球に力がなくてストレート(彼は基本的にストレートでしかストライクが取れない)も簡単に狙い打たれ初めていた。
高階クン……がんばれ……
……あれ……?
なんでおれ……応援?……
いや決して、彼とだけはしたくないぞ。
でも、高階クンにもこんなに根性があったなんて。
今回までの活躍数 | |||||||||
道隆 |
土井 |
原田 |
小山 |
潮崎 |
達彦 |
赤城 |
高階 |
吉田 |
野々垣 |
2 |
1 |
±1 |
1 |
1 |
急に飛んだわね……ごめんスポーツ物は私には無理だったわ…… 久しぶりに高階クン書いたって感じ
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