少し肌寒い早朝に

 朝、少し早めに目が覚めた。季節外れに肌寒かったから。裸の身体にひんやりとした冷気が触れていた。
 目が覚めたといっても、柔らかな羽毛布団と、しっとりぬめらかな毛布にくるまれ、心地よいまどろみの中たゆたう。
 そして冷気の中に混ざる温もり。おれの目の前に広く艶やかな原田の背中があった。
 もっと温もりが欲しくて、冷気の入る隙を埋めたくて、ぴとっとその背中に頬くっつけてみる。
 原田の匂い。湿り気を帯びた、体温。原田のすべらかな肌は、少し冷えた自分の肌のせいか、灼熱の太陽に晒されたブロンズのように熱く感じられた。原田の匂い。太陽の匂い。
 もっと、この温もりが欲しくて、更に頬をスリ寄せ、身を寄せる。もっと、もっと何も付け入る隙もないくらいに。
 でも、何か異物感がおれと原田を邪魔していた。くっつきたいのにくっつけない。股間の異物感。……でも、ぼけた頭でもっと、もう少しでもくっつきたい、と腰を押しつけ、擦り付けていたら……分かってきた。
 この摩擦が、脳天まで痺れるように、なんだか気持ちよくなってきてしまったんだ。
 ……たってた。
 朝だからたってたんだ……快感と共に明瞭になってくる頭の片隅で、そんなこと思いながら、気持ちよさに本能的に原田に股間を擦り付け続ける。
 張りのある丸いお尻が……気持ちいい。
 そして、先端が滑るその谷間…これってスマタ……?
 原田もきっと、今のおれみたいに……?
 止まらず快感を追い続けるおれ。
「アッ」
 思わず声が漏れる。
 ぎゅうと強い刺激。
「赤城君、おれのかわいいお尻にヘコヘコ変なもん擦り付けるのやめてくれる?」
 ほっぺた熱くなる。
「やだ……」
 恥ずかしい。なんだかとてつもなく恥ずかしい。
「ん、あっ、」
 そんなこと言いながら、力強い手のひらが、おれのモノをジョイスティック握りで強弱付けて激しく擦り上げる。
 そして原田はくるりと身を翻し、すっかり目の覚めきった爽やかな笑顔でおれを見てニヤリと笑った。
「何がいややねん。こんなにガチガチに硬くして、あろうことかおれのかわいいケツで激しく1人エッチしてたくせに。今更」
 恥ずかしくて目が合わせられなくて、目を伏せると、空気が動いて頬に柔らかく温かい感触。そしてざらりと濡れた感触。
「おいしそうな桃色ほっぺしやがって」
 そのまま舌は滑っていき、
「あん、」
 すっかり硬く尖る胸の突起に吸い付く。這い回る舌の湿り気。
 胸を滑るひやりとした髪の毛のくすぐったさ。心地よい重さと温もり。そして……太股に感じる、異物感。
「原田……お前も……」
「当たり前やん。男やもん」
「おれにケツ攻められて感じちゃったんだ?」
 なんとなくからかうように言ってしまう。つまらないことだけど、男の自尊心?
 でも原田はフンと鼻で笑うと、
「うんて言うたりたいけど、はずれ。お前が朝からエロいから」
「エロいおれ、好き?」
「うん」
 またほっぺにキス。
 そのまま抱き締められて。
 朝一番の寒い時間を、2人たかめあって過ごすのだ。


END

なんの盛り上がりもないただのエロ小ネタでした!ときどき無性にプチ攻める赤城君書きたくなりますよぅ
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