皮つるみ 2

 俯く赤。
「何?言われへん?」
 そこでわざとらしくもハァと溜息、
「いいよ別に……もーいーよ別に~~。どうせ男同士やし。さーて、寒いからもうマジで寝よっと」
とおれは寝返り打って、布団の中に深く潜り込んだ。その一瞬の静けさの間に、隣の部屋から明るい談笑の声が…こっちの雰囲気と大違いだ。
 すると、パタと音がして、赤がスリスリと寄ってくる衣擦れの音がする。おれの間近まで来ると、
「原田……そんなこと言わないで…だってそのゆ…、名前で呼ぶと、物凄い恥ずかしくなってカーッて身体が熱くなって、その…感じちゃって下半身が大変なことになるから…カンベンしてよ」
 そしてフワッと気配が動いたと思ったら、赤の両手のひらがおれの頭を抱え、柔らかい髪が頬に降りてきた。
「可愛くなくて、ごめん……」
 そのまま、おれの額に暖かい柔らかい唇がぴとっと。ちゅっと吸い上げて離れた。
 さっきまで男やん、と改めて思っていた赤のこんな仕草にこっちこそカーッと身体が熱く、股間にビーンと感じてしまった。可愛いやんか、反則。
 おれはそのまま布団から片手を出し、赤の手首をぐっと握る。すると赤は身を引き、ぴくっとする。その瞬間、身体が熱くなったのが伝わってきた。
「赤。布団……」
「う、うん…ちょっとトイレ行ってくるから……待ってて」
 身体をアツクした赤は、おれの手を振り払い、そそくさと障子を開けて縁側兼廊下に出、トイレへと行った。
 普段だったら有無を言わせず布団に引きずり込んだおれだと思うけど、その時おれは特に赤を止めずに送り出した。
 たくらみがあったからだ。
 おれはそっと布団から出ると、隣のワイワイ声のする学生さんらとの部屋を仕切る襖に寄ると、ほんのすこーし、音を立てずに開いた。その隙間2センチほど。でもこれでオッケー。
 それから元通り布団に入り、赤の戻るのを待つことにした。
 板張りをぱたぱたと足早に寄ってくる音、そして直ぐにカラッと障子が開く。
「お待たせ」
 そう言ってもぞもぞとおれの横に潜り込んでくる。おれの温めた空気がファッと抜けていく。
 ぴとっとおれの胸に頭を預け、
「あ…でもマジでヤラシイことすんのやめてな…絶対ここ、隣に聞こえまくるから…」
 おれはその背を抱き寄せて、
「だいじょーぶ、この部屋広いし、隣五月蠅いし、」
 そう言いながら片手で浴衣の裾前をかきわけて身体の中心を探った。
「アレ?」
「じゃー静かにして」
 そう言った途端、また赤が湯たんぽよろしくポッとアツクなる。でも手に触れるモノはひんやりしてて、フクロタケよろしく小さくなって大事にしまわれていた。
「お前、ここ洗ってきた?」
「だって、……気になるし」
「お前ほんとはやる気満々……」
「そんなことないって、」
 そう言うとおれの鼻をつまむ。そして掴んでもにゅもにゅと触感を楽しんでいたおれの手を押しやり、
「やっぱダメ、絶対ダメ、こんなとこで絶対イヤ、」
と後ろを見せ、隣に敷けている布団へと移動しようとする。そんな赤を後ろから抱き留め、ほの温かい首筋に舌を這わせた。
「ぁは…ん…」
 微かな喘ぎ。その声を聞いただけで、おれの中のケダモノはMAX。やっぱイイ。赤はイイ。
 オンナの子よりも、その辺の男は比べるべくもなく。誰にも替えられない艶。色気。かわいいのに甘すぎない、絶妙のお味。

すいません更に続きます…あううう。さすがに寝なきゃいけない時間になったからです…今度こそ早めにウプる……(汗)

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