「はあぁ――、やっぱり先生は猫なんですね」
「えっ?」
修が部屋を見るなり言った。おれたちはぎょっとして同時に叫んだ。
「どういうこった、そりゃ」
おれはやつの胸倉を掴んだ。
「だって、猫は死期を悟ると姿を消すというじゃありませんか」
「修!」
「離してくださいよ…誰も先生が死ぬなんて言ってません…ただ、…」
修は言葉に詰まると力の抜けたおれの手から逃れてソファに座った。
「しかし、一言くらい別れの言葉らしきものが欲しかったな」
「おれは今更別れの言葉なんて欲しくない。いつも、再会できた」
「しかし、一体どこへ…」
「おれは探すぞ」
「探さないがいいと思いますがね。ますます逃げていくんじゃないですか」
「しかし、おれは探す。そうせずにはいられないことをあいつは知ってるはずだ」
「そうですね」
修は微かに笑った。
彼は今度ばかりはおれにさよならも、何も言わず、どこかへ行ってしまった。
言ったら会ってしまう、そんな気がしたのかも知れなかった。
二度あることは三度ある、そういう言葉が脳裏に浮かんだ。
END
こんなモンクリックさせんなや!とお怒りの方も、まーまー…
やっぱね、最初の話とリンクしたシメなんで、また、せっかく書いてたんだし…(何でも垂れ流せばええっちゅうもんちゃうぞ!)画竜点睛っていうでしょ!(良く言いすぎ…)